Salesforce・kintone・HubSpot徹底比較|中小企業に最適なCRMを料金・機能・定着しやすさで選ぶ

「高機能なシステムを入れたのに、現場が全く入力してくれない」——私たちアカンパニー・パートナーズは、そんな中小企業の経営者からの悩みを数多く聞いてきました。
Salesforce・kintone・HubSpotの最大の違いは「対象規模と設計思想」にあります。Salesforceは大企業向けの高機能CRM、kintoneは自社業務に合わせて作るプラットフォーム、HubSpotは無料から始められるCRM/マーケ統合ツールです。中小企業の大半には、まずHubSpot無料版から始め、必要に応じてkintoneか有料版に移行するのが最も現実的な選択肢です。本記事では、ITベンダーの営業トークを抜きにした「本当の選び方」を解説します。
Salesforce・kintone・HubSpotとは?3ツールの定義と特徴
Salesforceの定義と特徴
【Salesforceとは】
Salesforceとは、世界シェアNo.1のCRM/SFAプラットフォームです。大企業向けに設計された高機能・高カスタマイズ性が特徴で、営業管理・顧客管理・マーケティング自動化を統合します。
Salesforceは1999年創業のアメリカ企業が提供するクラウドCRMです。SFA・CRM・MA・カスタマーサービスの機能を一つのプラットフォームで提供し、大企業・グローバル企業の基幹システムとして広く採用されています。一方、中小企業には機能過剰・コスト過重になりやすい側面があります。
kintoneの定義と特徴
【kintoneとは】
kintoneとは、サイボウズ株式会社が提供するノーコード業務アプリ構築プラットフォームです。顧客管理・案件管理・業務管理のアプリを、専門知識なしに自社で作れる柔軟性が強みです。
kintoneは「CRMそのもの」ではなく、「CRMを自分たちで作るためのプラットフォーム」です。いわばシステムの「ブロック玩具」で、製造業の工程管理や士業の複雑な案件管理など、「市販のツールでは自社のやり方に合わない」という場合に圧倒的な強みを発揮します。国内導入社数42,000社以上(2026年時点・サイボウズ公式)で、特に日本の中小〜中堅企業に強く普及しています。ただしCRMとして使うにはアプリ設計が必要で、最低10ユーザーからの契約が条件です。
HubSpotの定義と特徴
【HubSpotとは】
HubSpotとは、全世界20万社以上(2025年度・HubSpot公式)が利用するCRM/MA/SFA統合プラットフォームです。基本的なCRM機能を永年無料で提供し、必要に応じて有料機能を追加できます。
HubSpotはアメリカ発のインバウンドマーケティングプラットフォームで、「まず無料で試してから段階的に機能を追加する」というスモールスタートに最も向いています。UIが直感的で、ITリテラシーが高くない営業担当者でも今日からすぐに入力を始められます。「まずは顧客情報を一箇所に入力してみよう」という、システム導入の第一歩として現場の反発を最も受けにくいツールです。
SFAとCRMの基本的な違いについては「SFAとCRMの違いと選び方」もご参照ください。
3ツールを7軸で徹底比較
料金・コスト比較
Salesforceのライセンス費は月額3,000円(Starter Suite)〜21,000円/ユーザー(Sales Cloud)です。(出典:Salesforce公式 https://www.salesforce.com/jp/small-business/pricing/ 2026年5月確認)
kintoneはライトコース月額1,000円・スタンダードコース月額1,800円(いずれも税抜・最低10ユーザー契約)です。(出典:サイボウズ公式 https://kintone.cybozu.co.jp/pricing.html)
HubSpotは無料版(機能制限なし・期間制限なし)からStarter月額2,400円/シート〜と幅広いプランがあります。(出典:HubSpot公式 https://www.hubspot.jp/products/crm/starter)
導入期間・定着しやすさの比較
Salesforceは設定・カスタマイズに平均3〜6ヶ月かかります。専任の管理者(Salesforce Administrator)がいないと本格運用が困難で、定着までに時間がかかる傾向があります。
HubSpotは登録したその日から使い始められます。UIがシンプルで、ITリテラシーが高くない営業担当者でも直感的に操作できます。「とにかく早く始めたい」場合はHubSpot一択です。
kintoneはアプリ設計に1〜2週間かかりますが、一度整えると自社業務にぴったりはまります。IT担当者がいる会社や導入支援パートナーを活用できる会社に向いています。
7軸徹底比較表
| 比較軸 | Salesforce | kintone | HubSpot |
|---|---|---|---|
| 料金目安(5ユーザー年間) | 約18〜126万円〜 | 約12万円〜(最低10ユーザー・ライトコース) | 0円〜約14万円 |
| 導入期間 | 3〜6ヶ月 | 2〜4週間(設計次第) | 即日〜1週間 |
| 専任管理者の必要性 | 必要(実質必須) | 不要(ただしアプリ設計知識が必要) | 不要 |
| 対象企業規模 | 中堅〜大企業 | 中小〜中堅企業 | 小規模〜中小企業 |
| 定着しやすさ | △(複雑・入力負荷高め) | ○(設計次第で高くなる) | ◎(直感的・入力しやすい) |
| カスタマイズ自由度 | ◎(高い・専門知識必要) | ◎(高い・ノーコードで可能) | ○(中程度) |
| スモールスタートのしやすさ | × | △(最低10ユーザー必要) | ◎(無料版から可能) |
(各ツール公式サイト・2026年5月時点。価格は変更になる場合があります。)
業種・規模・目的別のCRM選び方
従業員規模別の推奨
自社の規模に応じた最適なツールは以下のとおりです。
| 規模 | 推奨ツール | 理由 |
|---|---|---|
| 〜10名(小規模) | HubSpot無料版 | コストゼロ・即日開始・管理者不要 |
| 10〜50名(中小企業) | kintone または HubSpot Starter | 自社業務への柔軟対応 or マーケ統合 |
| 50〜100名(中堅) | kintone または HubSpot Professional | 複数部門の管理・自動化が必要 |
| 100名以上(大企業志向) | Salesforce | 複雑な営業プロセス・グローバル対応 |
業種別の推奨
業種によって最適なツールは変わります。
| 業種 | 推奨ツール | 理由 |
|---|---|---|
| 製造業・建設業 | kintone | 受注管理・在庫管理・顧客管理を一元化できる |
| 不動産業 | kintone または HubSpot | 物件情報と顧客情報の紐付けが必要な場合kintone |
| サービス業・士業 | HubSpot | 問い合わせ管理・メール追跡・予約管理が充実 |
| 小売・EC | HubSpot | マーケ自動化・メールキャンペーン機能が強い |
| IPO準備・大企業取引 | Salesforce | セキュリティ・監査対応・権限管理が充実 |
目的別の推奨
| 目的 | 推奨ツール |
|---|---|
| 営業の属人化を解消したい | kintone または Salesforce |
| 顧客情報をまず一元管理したい | HubSpot無料版 |
| マーケティングと営業を統合したい | HubSpot |
| 自社の複雑な業務フローをシステム化したい | kintone |
| 将来のスケールアップ・上場を見据えている | Salesforce |
Salesforceが向いている企業・向いていない企業
Salesforceが真価を発揮する3つの条件
Salesforceが最大限機能するのは、以下の3条件が揃う場合です。
① Salesforce専任管理者が社内にいる:カスタマイズ・ユーザー管理・レポート設計を担える人材がいることが前提です。
② 年間200万円超のコストに見合う費用対効果がある:導入支援費・保守費を含めた総コストを許容できる予算規模が必要です。
③ IPO準備・大企業との取引・グローバル展開を見据えている:高いセキュリティ・監査対応・国際対応が求められる場合に強みが活きます。
Salesforceが定着しない原因と対策については「Salesforceが定着しない5つの原因と対策」をご参照ください。また、解約を検討している場合は「中小企業がSalesforceを解約した理由TOP5」もご確認ください。
kintoneが向いている企業・向いていない企業
kintoneが最も力を発揮するケース
kintoneは「既存のCRMツールでは自社業務が表現できない」という企業に最適です。製造業の受注管理・建設業の現場管理・士業の案件管理など、業種特有の複雑な業務フローを自社でアプリ化できます。IT担当者がいる会社、またはkintoneパートナーを活用できる会社なら、導入後の自走が可能です。
kintoneを選ぶ前に確認すべき注意点
① 最低10ユーザー契約が必要:スタンダードコース月額1,800円×10名=月額18,000円が最低コストです。5名以下の小規模企業には割高になります。
② アプリ設計の初期コストがかかる:自分たちで設計する場合は学習コスト、パートナーに依頼する場合は設計費(30〜100万円規模)が発生します。
③ CRM専用ツールではない:マーケティング自動化・メールキャンペーン等はkintoneの得意領域ではありません。
kintoneの詳細な活用法は「kintoneの中小企業向け活用法」をご参照ください。
HubSpotが向いている企業・向いていない企業
HubSpotが最も力を発揮するケース
HubSpotは「まず使ってみて、現場が使えるか確認したい」という企業に最も向いています。無料版でも顧客管理・取引パイプライン・メール追跡・カレンダー連携が使え、営業活動の可視化をコストゼロで始められます。
また「マーケティングと営業を一つのプラットフォームで管理したい」企業にも向いています。メールキャンペーン・フォーム・ランディングページ・SNS管理が統合されており、インバウンドマーケティングと営業管理を一体化できます。
HubSpotの料金プラン比較
| プラン | 月額(税抜) | 主な追加機能 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| 無料版 | 0円 | CRM・取引管理・メール追跡 | まず試したい小規模企業 |
| Starter | 2,400円/シート〜 | 広告管理・メール自動化・チャット | 営業効率化を本格化したい |
| Professional | 106,800円/月〜(基本料金) | 高度な自動化・カスタムレポート | マーケと営業を統合したい中堅企業 |
(HubSpot公式 https://www.hubspot.jp/products/crm/starter 2026年5月確認。価格は変更になる場合があります。)
Professional以上は月額10万円超の基本料金が発生するため、中小企業の予算感に合うかを事前確認することが重要です。
3ツールを組み合わせて使う方法
HubSpot×kintoneの組み合わせが中小企業に最適な理由
HubSpotとkintoneを組み合わせることで、Salesforceに近い機能をより低コストで実現できます。「HubSpotでマーケ・営業管理、kintoneで受注管理・業務管理」という分担が、特に製造業・サービス業の中小企業に有効です。両ツールはAPI連携もできるため、データの二重管理を避けることができます。
CRM導入後に定着しない問題への対処
どのツールを選んでも「入力してもらえない問題」は発生します。定着率を上げる設計論については「CRMに入力してもらえない7つの原因と解決策」をご参照ください。
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CRM導入を成功させる4ステップ
どのツールを選んでも、以下の4ステップで進めることで失敗リスクを大幅に下げられます。
STEP 1:自社の課題を1つ言語化する
「営業の属人化を解消したい」「顧客情報をまとめたい」など、解決したい課題を1つに絞ります。課題が曖昧なままツールを選ぶと、導入後に「こんなはずではなかった」が起きます。
STEP 2:無料版でスモールスタートする
HubSpot無料版・kintoneの30日無料トライアル・Salesforce Free Suiteなど、まず無料で試します。「現場担当者が実際に使えるか」を確認してから本格導入を決断します。
STEP 3:入力率をKPIとして計測する
導入後1ヶ月で「週の入力率」を計測します。入力率が50%を下回る場合は、入力項目の見直しが必要です。ツールの問題より設計の問題であることがほとんどです。
STEP 4:定着後に必要な機能を追加する
基本機能の定着を確認してから、自動化・分析・マーケティング機能を追加します。最初から全機能を使おうとすると、現場が混乱して定着しません。
よくある質問
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SalesforceとHubSpotの一番の違いは何ですか?
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対象規模と価格帯です。Salesforceは大企業向けで月額21,000円/ユーザー〜、HubSpotは中小企業向けで無料から始められます。機能の複雑さも大きく異なります。
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kintoneはCRMとして使えますか?
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使えます。ただしCRM専用ツールではないため、顧客管理アプリを自社で設計する必要があります。最低10ユーザーの契約が必要な点にも注意が必要です。
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HubSpotの無料版でどこまでできますか?
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顧客情報管理・取引パイプライン・メール追跡・カレンダー連携・基本レポートが使えます。コンタクト数・期間制限なしで永年無料です。
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中小企業にSalesforceは必要ですか?
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条件次第です。専任管理者がいる・年間200万円超のコストに見合う・上場準備中の場合は有効です。それ以外の中小企業にはHubSpotかkintoneが現実的です。
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3ツールの中で最も定着しやすいのはどれですか?
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HubSpotが最も定着しやすいです。UIが直感的で即日使い始められ、無料版から試せるため現場の拒否感が最も低いです。
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CRM選定の相談はどこにすればいいですか?
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ITコーディネーターへの相談が最適です。特定ツールへの誘導なく、自社に合うツールを中立的に選定できます。費用の目安は「ITコーディネーターの費用・料金相場」をご参照ください。
参考:Salesforce公式「中堅・中小企業向けSalesforce CRMの料金」https://www.salesforce.com/jp/small-business/pricing/(2026年5月確認)/ サイボウズ公式「kintone導入社数」https://kintone.cybozu.co.jp/(2026年時点・42,000社以上)/ HubSpot公式「中小企業向けCRM」https://www.hubspot.jp/products/crm/starter(2026年5月確認)/ GXO「Salesforce・HubSpot・kintone比較」https://gxo.co.jp/column/salesforce-hubspot-crm-comparison-sme(2026年4月)
投稿者プロフィール

- 代表
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プログラマーとしてキャリアをスタートし、製造業の社内SEとして「工場」の論理を、士業事務所の社内SEとして「先生」の論理を肌で学んできました。異なる文化を持つ組織の中でITを推進するには、技術力以上に「聴く力」と「翻訳力」が必要です。
現在はその経験を活かし、新潟の中小企業のDXを支援しています。
ITコーディネーター/上級ウェブ解析士/上級SNSマネージャー






