中小企業がSalesforceを解約した理由TOP5|続けるべきか・やめるべきかの判断基準

中小企業がSalesforceを解約する理由は、「コストが高すぎる」「現場に定着しない」「管理者不在で運用できない」「機能が複雑すぎて使いこなせない」「kintone・HubSpotで十分と判断した」の5つが代表的です。この記事では、解約理由の詳細・続けるべき企業とやめるべき企業の違い・乗り換え先の選び方を中立的な立場で解説します。
中小企業がSalesforceを解約した理由TOP5
【TOP5・まとめリスト】
① コストが高すぎる(ライセンス費+導入支援費+管理コスト)
② 現場に定着せず誰も入力しなくなった
③ 管理者(Salesforce専任者)がいないと運用できない
④ 機能が複雑すぎて中小企業には過剰スペック
⑤ kintone・HubSpotで十分と判断した
① コストが高すぎる(ライセンス費+導入支援費+管理コスト)
Salesforceには「Free Suite」という永年無料プラン(最大2ユーザーまで)もありますが、本格的にSFA・CRM機能を業務レベルで使う場合はSales Cloud(月額21,000円/ユーザー〜・税抜)が必要になるケースが多いです。(出典:Salesforce公式 https://www.salesforce.com/jp/small-business/pricing/ 2026年5月確認)
5ユーザーで利用した場合の年間ライセンス費用だけで、Sales Cloudなら最低126万円(21,000円×5名×12ヶ月)になります。これに導入支援費・カスタマイズ費・保守費が加わると、初年度の総コストは200〜500万円規模になることも珍しくありません。
中小企業にとってこの費用負担は重く、「費用対効果が合わない」と判断して解約するケースが最も多いパターンです。
② 現場に定着せず誰も入力しなくなった
SalesforceはUI(操作画面)の複雑さから、IT慣れしていない営業担当者には「入力ハードルが高い」ツールになりがちです。「入力に時間がかかる」「スマホから入力しにくい」「どこに何を入力すればいいかわからない」という声が現場から上がり、結果的に誰も使わなくなるパターンです。
CRMへの入力定着の問題と解決策については「CRMに入力してもらえない原因と設計の作り方」もご参照ください。また、Salesforceが定着しない原因の詳細は「Salesforceが定着しない5つの原因と対策」でまとめています。
③ 管理者(Salesforce専任者)がいないと運用できない
Salesforceを適切に運用するには、Salesforce管理者(Administrator)と呼ばれる専任の担当者が必要です。ユーザー管理・権限設定・ワークフロー構築・データ管理など、管理者が担う業務は多岐にわたります。
大企業であれば専任の管理者を置けますが、中小企業では兼任または外部パートナーへの依存になりがちです。管理者が退職した際に運用が崩壊するリスクや、管理者がいないと小さな変更もSalesforceパートナー会社に依頼する費用が発生するという問題が、解約の引き金になります。
④ 機能が複雑すぎて中小企業には過剰スペック
Salesforceはエンタープライズ向けに設計されたCRM/SFAプラットフォームです。標準機能だけでも数百に及ぶ機能が搭載されており、中小企業が実際に使う機能は全体の10〜20%程度というケースが多いです。
「使いこなせない機能に費用を払い続けている」「設定が複雑で自社でカスタマイズできない」という状況が続くと、費用対効果への疑問から解約を決断するに至ります。
⑤ kintone・HubSpotで十分と判断した
2025〜2026年にかけて、kintoneやHubSpotなどの低コスト・使いやすいCRM/業務管理ツールが急速に普及しました。これらのツールで中小企業の営業管理・顧客管理が十分に対応できると判断し、「Salesforceほどの機能は不要だった」という結論に至るケースが増えています。
「Salesforceは間違いなく世界最高峰の素晴らしいシステム。しかし中小企業にとっては『フェラーリでコンビニに行く』ような状態になりがちです」というのは、中立的な立場での評価として広く共感を得ている表現です。
Salesforceのコストは中小企業にとって本当に高いのか?
ライセンス費用だけでは終わらない「隠れたコスト」
Salesforceの総コストは、ライセンス費用だけではありません。以下の費用が加算されます。
- 導入支援費:Salesforceパートナー会社への初期設定・カスタマイズ依頼(50〜300万円)
- 保守・運用費:管理者費用または外部パートナーへの月額保守費(月5〜20万円)
- 追加機能費:標準機能外の機能追加・AppExchangeアプリの費用
- 教育・研修費:ユーザー研修・操作習得のための時間コスト
主要CRMの価格帯ざっくり比較(5ユーザー想定)
「Salesforceは本当に高いのか」を判断するため、主要CRMの価格帯をざっくり比較します。各ツールにはプランやオプションが複数あるため、詳細な比較は別記事に譲り、ここでは「価格レンジ」のみを示します。
| ツール | 5ユーザー年間コストの目安 | 価格帯の位置 |
|---|---|---|
| Salesforce Sales Cloud | 約126万円〜 | 高価格帯 |
| Salesforce Starter Suite | 約18万円 | 中価格帯(機能制限あり) |
| Salesforce Free Suite | 0円 | 最大2ユーザーまで無料 |
| kintone | 約12万円〜 | 低価格帯(最低10ユーザー契約・ライトコース10名分) |
| HubSpot 無料版 | 0円 | 基本CRM機能・コンタクト無制限 |
| HubSpot 有料版 | 約14万円〜 | 低〜中価格帯(プラン選択幅広い) |
| Zoho CRM | 約11万円〜 | 低価格帯 |
(2026年5月時点・税抜の概算。各ツールの最新の正確な料金は公式サイトをご確認ください。詳細な料金プラン比較は「Salesforce・kintone・HubSpot 詳細比較」をご参照ください)
Sales Cloudは他のCRMと比べて1桁高い価格帯にあります。導入支援費・保守費を含めるとその差はさらに広がります。中小企業にとってこの費用負担が解約理由の最上位になるのは、当然の構造的な結果です。
Salesforceが中小企業に「向いていない」構造的な理由
大企業向け設計が中小企業に合わない3つの理由
SalesforceとkintoneやHubSpotの最大の違いは「設計思想」にあります。Salesforceは数百〜数千名規模の企業が複雑な営業プロセスを管理することを前提に設計されています。中小企業に合わない3つの構造的な理由は以下のとおりです。
① 機能の過剰さ:大企業が必要とする機能を中小企業向けに削る仕組みがなく、シンプルに使おうとしても設定の複雑さが残ります。
② カスタマイズの専門性:自社でカスタマイズするにはApex(プログラミング言語)などの専門知識が必要で、外部パートナーへの依存を生みます。
③ コスト構造の非効率:ライセンス費が高く、使わない機能に費用を払い続ける状態が続きます。
Salesforceが本来の力を発揮する企業の条件
Salesforceが真価を発揮するのは、以下の条件が揃う企業です。
| 項目 | Salesforceが向いている企業 | Salesforceが向いていない企業 |
|---|---|---|
| 従業員規模 | 100名以上・営業チーム20名以上 | 50名以下・営業担当5名以下 |
| IT専任者 | Salesforce管理者が専任でいる | IT担当が兼任またはいない |
| 予算 | 年間200万円以上のIT投資予算がある | 年間50万円以下のIT予算 |
| 営業プロセス | 複雑な営業フロー・複数部門連携が必要 | シンプルな営業活動 |
| 成長フェーズ | IPO準備中・グローバル展開を見据えている | 現状維持・ローカル展開中心 |
それでもSalesforceを続けるべき企業の特徴
続けるべき3つの条件
Salesforceを解約せずに続けるべき企業には、以下の3条件があります。
① Salesforce管理者が社内にいて、定期的にカスタマイズ・改善できる体制がある
管理者が主体的に関わることで、Salesforceの真価が発揮されます。管理者不在での継続は費用の無駄遣いになるリスクが高いです。
② 現在のSalesforceにデータが蓄積されており、乗り換えコストが高い
数年分の商談履歴・顧客データがSalesforceに蓄積している場合、乗り換え時のデータ移行コストと業務停止リスクが発生します。データ量によっては継続の方が合理的です。
③ 将来的なスケールアップ・IPO・大企業との取引を見据えている
Salesforceのブランド・セキュリティ・監査対応機能は、上場準備・大企業との取引に求められる水準を満たしています。将来の拡張性を重視するなら継続を検討する価値があります。
「解約したいが続けざるを得ない」ベンダーロックインの問題
Salesforceに数年分のデータを蓄積すると、乗り換えが難しくなる「ベンダーロックイン」の状態が生じます。データのエクスポートは技術的に可能ですが、乗り換え先のシステムへのデータ移行には専門的な作業と費用が必要です。
解約を検討し始めた段階で、まずデータをCSVや標準フォーマットでエクスポートしておくことが重要です。
セルフ判断チェックリスト:続けるべきか・やめるべきか(7項目)
| チェック項目 | 続けるべき | やめるべき |
|---|---|---|
| 1. 社内にSalesforceを運用できる専任の管理者がいる | ✅ | |
| 2. 年間200万円以上の総コストに見合う費用対効果が出ている | ✅ | |
| 3. 上場準備や大企業との取引条件で、Salesforceの利用が必須である | ✅ | |
| 4. 現場のデータ入力率が50%以下で、これ以上改善する見込みがない | ✅ | |
| 5. 管理者が退職・異動してしまい、誰も設定を変更できない | ✅ | |
| 6. kintoneやHubSpotで自社の業務要件が十分に満たせると判断した | ✅ | |
| 7. システム費用がIT予算の大部分を占め、他の前向きな投資ができない | ✅ |
「やめるべき」に3つ以上チェックがついた場合は、乗り換えを具体的に検討するタイミングです。まず無料相談でご確認ください。
新潟を拠点に、オンラインで全国対応しています。初回相談無料です。
Salesforceをやめた後の乗り換え先の選び方
kintoneへの乗り換えが向いているケース
kintoneへの乗り換えが向いているのは「自社の業務フローに合わせた顧客管理・案件管理を自分たちで作りたい」という企業です。kintoneは国内導入社数42,000社以上(2026年時点・サイボウズ公式)で、ノーコードでアプリを作れる柔軟性が最大の強みです。
ただしkintoneは最低10ユーザーからの契約が必要なため、少人数で利用したい場合は注意が必要です。Salesforceの複雑な設定に疲れた企業が「自社で管理できるシンプルなシステム」として移行するケースが多く、詳細は「kintoneの中小企業向け活用法」をご参照ください。
HubSpotへの乗り換えが向いているケース
HubSpotへの乗り換えが向いているのは「CRMとマーケティング機能を統合して使いたい」「まず無料で試して段階的に機能を追加したい」という企業です。HubSpot無料版はコンタクト数無制限・期間制限なしで利用できます。
SalesforceからHubSpotへの乗り換えは「機能の削減」ではなく「コスト最適化と使いやすさの向上」として捉えることが重要です。
kintoneとHubSpotの違い
kintoneとHubSpotの最大の違いは「得意領域の方向性」にあります。kintoneは業務管理・カスタム設計が強みで、HubSpotはマーケティングと営業の一体化が強みです。Salesforceからの乗り換えでは、自社の「何を解決したいか」によってどちらを選ぶかが決まります。
| 比較項目 | kintone | HubSpot | Zoho CRM |
|---|---|---|---|
| 価格帯 | 低価格(最低10ユーザー) | 無料〜中価格帯 | 低価格〜中価格帯 |
| 得意領域 | 業務管理・カスタム顧客管理 | インバウンドマーケ・CRM/SFA一体型 | CRM/SFA・多機能 |
| Salesforceからの移行難易度 | 中(アプリ設計が必要) | 低〜中(UIが直感的) | 低〜中(標準CRM機能が充実) |
| 日本語サポート | ◎(国内企業・サポート充実) | ○(日本語対応済み) | ○(日本語対応済み) |
| 向いている企業 | 業種特化の管理が必要な企業 | マーケと営業を統合したい企業 | 多機能をコスト抑えて使いたい企業 |
各ツールの詳細な料金プランや機能比較は「Salesforce・kintone・HubSpot 詳細比較」をご参照ください。
Salesforce解約・乗り換えを検討するときの4ステップ
STEP 1:現在のSalesforce活用状況を棚卸しする
まず「どの機能をどれだけ使っているか」を調査します。実際に使われている機能・入力率・アクティブユーザー数を数値で把握します。「有料機能の何%を実際に使っているか」が判断の出発点です。
STEP 2:「続ける理由」と「やめる理由」を明文化する
次に、上記のチェックリストをもとに「自社がSalesforceを続けるべき理由」と「やめるべき理由」を書き出します。経営層・IT担当・現場担当者の意見を揃えて、合意形成を進めます。
STEP 3:乗り換え先の候補を選定・比較する
kintone・HubSpot・Zoho CRMなど候補ツールの無料トライアルを実施し、「現場担当者が実際に使えるか」を確認します。機能の比較だけでなく「現場の入力しやすさ」が最重要の評価軸です。
STEP 4:データ移行・解約手続きを進める
乗り換えを決断したら、まずSalesforceからデータをエクスポートします。商談データ・顧客データ・活動履歴をCSV等で保存してから解約手続きを進めます。年間契約の場合、解約タイミングと違約金条件を事前に確認することが重要です。
【実務コメント】
私はSalesforceを無条件に「推す」立場でも「やめさせる」立場でもなく、現場の痛みがわかる実務家として「今の御社の身の丈に合っているか」を判断するサポートを行っています。
現場からのご相談で一番多いのは、「高いお金を払ったのに、現場が誰も使っていない」という悲鳴です。この場合、悪いのはSalesforceの機能ではなく、「現場の入力負荷を無視した導入設計」にあるケースがほとんどです。いきなり別のツールへ乗り換える前に、入力項目を極限まで減らすなどの「現場目線での再構築」をご提案することもあります。
孤独なDXを終わらせるために、まずは現状の率直な悩みをお聞かせください。特定ツールの販売が目的ではない中立的な立場で、一緒に解決策を考えます。
Salesforceの継続・乗り換えについて中立的な立場でご相談に乗ります。
新潟を拠点に、オンラインで全国対応しています。初回相談無料です。
よくある質問
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Salesforceを解約するとデータはどうなりますか?
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月間契約(Starter Suite)はいつでも可能です。年間契約は契約満了時のみ解約できるケースが一般的で、途中解約は違約金が発生する場合があります。
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Salesforceの解約はいつでもできますか?
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月間契約(Starter Suite)はいつでも可能です。年間契約は契約満了時のみ解約できるケースが一般的で、途中解約は違約金が発生する場合があります。
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解約した後、kintoneに移行するのは難しいですか?
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データ移行は技術的には可能ですが、Salesforceのデータ構造とkintoneのアプリ設計は異なるため、変換作業が必要です。ITコーディネーターやkintoneパートナーに依頼することを推奨します。
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Salesforceをやめて後悔した会社はありますか?
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あります。「大企業との取引条件で高いセキュリティ基準(監査ログ等)が求められていた」「将来的に上場を目指すフェーズに入り、高度な権限管理が必要になった」というケースでは、機能不足で後悔することがあります。自社の3年後の姿を見据えて判断することが重要です。
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中小企業にSalesforceは必要ですか?
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条件によります。管理者が専任・年間200万円超のコストに見合う・将来のスケールアップを見据えているなら有効です。それ以外にはkintone・HubSpotが現実的です。
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乗り換えの相談はどこにすればいいですか?
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ITコーディネーターへの相談が最適です。特定ツールへの誘導なく、自社に合うツールを中立的に選定できます。費用の目安は「ITコーディネーターの費用・料金相場」をご参照ください。
参考:Salesforce公式「中堅・中小企業向けSalesforce CRMの料金」https://www.salesforce.com/jp/small-business/pricing/(2026年5月確認) / サイボウズ公式「kintone導入社数」https://kintone.cybozu.co.jp/(2026年時点・42,000社以上) / HubSpot公式「中小企業やスタートアップ向けCRM」https://www.hubspot.jp/products/crm/starter(2026年5月確認)
投稿者プロフィール

- 代表
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プログラマーとしてキャリアをスタートし、製造業の社内SEとして「工場」の論理を、士業事務所の社内SEとして「先生」の論理を肌で学んできました。異なる文化を持つ組織の中でITを推進するには、技術力以上に「聴く力」と「翻訳力」が必要です。
現在はその経験を活かし、新潟の中小企業のDXを支援しています。
ITコーディネーター/上級ウェブ解析士/上級SNSマネージャー






