HubSpot無料版でできること完全ガイド|中小企業がCRMを今日から始める5ステップ

「システムを入れたいけれど、現場に入力してもらえるか不安」「まずはコストをかけずに試したい」——そんな中小企業にとって、HubSpot無料版は最もリスクの低い選択肢です。
HubSpot無料版は、コンタクト管理・商談パイプライン・メール追跡・タスク管理・基本レポートが永年無料で使えるCRMです。コンタクトは最大100万件まで登録でき、世界135ヶ国以上・268,000社超(HubSpot公式・2026年時点)が利用しています。この記事では、10年にわたる社内SE・システム開発経験を持つアカンパニー・パートナーズが、無料版の全機能・制限・始め方の手順・有料版への切り替えタイミングを解説します。
HubSpot無料版でできること|機能一覧
HubSpot CRM無料版の定義
【HubSpot CRM無料版とは】
HubSpot CRM無料版とは、コンタクト管理・商談管理・メール追跡などの基本CRM機能を永年無料で使えるプラットフォームのことです。コンタクトは最大100万件まで登録でき、期間制限なしで今日から始められます。
HubSpot CRM自体には有償機能が存在せず、CRMの基本機能は永年無料で提供されています。これに加えて、営業に特化した「Sales Hub」・マーケティングに特化した「Marketing Hub」・カスタマーサポートに特化した「Service Hub」などの有償サービスを必要に応じて追加できる構造です。(出典:さとりファクトリ「HubSpotの無料版でできることとできないこと」https://www.satorifactory.jp/hubspot_freeplan/ )
無料版で使える主要機能10選
【無料版の主要機能リスト】
① コンタクト管理(顧客情報・連絡先の登録・管理)
② 企業情報管理(取引先企業のデータベース化)
③ 商談パイプライン管理(案件の進捗・フェーズ管理)
④ メール追跡(送信メールの開封・クリックを通知)
⑤ タスク管理(フォローアップのリマインダー設定)
⑥ Gmailおよびg・Outlookとの連携(メール自動記録)
⑦ Googleカレンダー・Outlookカレンダーとの連携
⑧ 基本レポート・ダッシュボード(3件まで)
⑨ フォーム作成(問い合わせフォームの埋め込み)
⑩ チャットボット(簡易的なライブチャット)
コンタクト管理・企業情報管理
HubSpotのコンタクト管理では、顧客の名前・メールアドレス・電話番号・会社名・役職・やりとりの履歴を一元管理できます。Gmailと連携すると、メール送受信が自動でコンタクトに記録されるため、担当者が意識して入力しなくても活動履歴が蓄積されます。
商談パイプライン・ディール(案件)管理
商談パイプラインでは「アポ取得→提案→見積もり→交渉→成約」といった営業プロセスのフェーズを視覚的に管理できます。各案件の担当者・金額・成約予定日・次のアクションを一覧で確認でき、営業マネージャーが全体の進捗を把握するのに最適です。
メール追跡・タスク管理・カレンダー連携
メール追跡機能を使うと、送信したメールを相手が開封したときにリアルタイムで通知が届きます。「見積もりを送ったが読まれているか不明」という営業担当者の不安を解消できます。タスク管理では「◯日後にフォローアップ」という予定を設定でき、対応漏れを防げます。
HubSpot無料版でできないこと|制限と注意点
無料版には機能制限があります。有料版との違いを正確に把握することが、導入後の「思っていたのと違う」を防ぐ鍵です。
無料版の主な制限
コンタクト(顧客情報)数の上限は実質なし:無料版でも最大100万件まで顧客情報を登録できます。中小企業であれば、名刺情報をすべて入れても上限に達することはまずありません。
メール送信数の上限(月間2,000通):メルマガなどの一斉配信は月間2,000通までです。定期的なメール営業を本格化させる場合は、Starterプランへの切り替えが必要です。
ダッシュボード数の上限(3件まで):売上や営業活動をグラフ化する画面は3件までしか作れません。基本的な進捗管理であれば3件でも十分に運用可能です。
自動化ワークフロー:メール送信の自動化・リードスコアリング・高度なシーケンス機能は無料版では利用できません。
HubSpotのロゴ表示:無料版では送信するメールやチャットにHubSpotのロゴが表示されます。
無料版 vs Starter vs Professionalの機能比較
| 機能 | 無料版 | Starter(2,400円〜/シート) | Professional(106,800円〜/月) |
|---|---|---|---|
| コンタクト管理 | ◎(最大100万件) | ◎ | ◎ |
| 商談パイプライン | ◎(1パイプライン) | ◎(複数パイプライン) | ◎ |
| メール追跡 | ◎ | ◎ | ◎ |
| メール送信自動化 | × | ○(基本) | ◎(高度) |
| ワークフロー自動化 | × | △(限定) | ◎ |
| カスタムレポート | × | △ | ◎ |
| HubSpotロゴなし | × | ✅ | ✅ |
(HubSpot公式 https://www.hubspot.jp/products/crm/starter 2026年5月確認。価格は変更になる場合があります。)
CRM導入で失敗しやすいパターンについては「CRM導入で失敗する原因と対策」もご参照ください。
HubSpotを今日から始める5ステップ
HubSpotの無料版は、以下の5ステップで今日から使い始められます。クレジットカード不要・5分で登録完了します。
STEP 1:アカウントを作成する(5分)
HubSpot公式サイト(https://www.hubspot.jp/)にアクセスし、「無料で始める」ボタンをクリックします。会社名・メールアドレス・パスワードを入力するだけで登録完了です。クレジットカードの登録は不要です。
STEP 2:最初のコンタクト(顧客情報)を登録する
アカウント作成後、まず5〜10件の顧客情報を手動で登録します。名前・会社名・メールアドレス・電話番号の最低4項目から始めることを推奨します。「完璧なデータベース」を最初から作ろうとせず、まず入力することに慣れることが優先です。
STEP 3:商談パイプラインを自社の営業プロセスに合わせて設定する
デフォルトのパイプライン(アポ取得・提案・見積もり・交渉・成約)をベースに、自社の営業フローに合わせてフェーズ名を編集します。フェーズは5〜7段階が最も使いやすいとされています。
STEP 4:GmailまたはOutlookと連携する
HubSpotのGmail拡張機能をインストールすると、Gmail上でメールを送受信するだけで活動記録が自動的にHubSpotのコンタクトに紐付きます。「入力の手間」が大幅に減り、現場の定着率が上がります。
STEP 5:チームメンバーを招待する
設定→ユーザーとチームから、営業担当者のメールアドレスを入力して招待します。無料版はユーザー数に制限がないため、営業チーム全員を招待できます。
ExcelからHubSpotへの移行方法
既存のExcel・Googleスプレッドシートで管理している顧客データをHubSpotに移行する手順は3ステップです。
STEP 1:ExcelをCSV形式で保存する
列名(ヘッダー行)を「名前・会社名・メールアドレス・電話番号」などHubSpotの標準フィールドに合わせて整理してからCSVとして保存します。
STEP 2:HubSpotのインポート機能でCSVをアップロードする
「コンタクト→インポート」からCSVファイルをアップロードします。列名とHubSpotのフィールドをマッピング(対応付け)する画面が表示されるので、確認しながら進めます。
STEP 3:インポート後にデータを確認・クリーニングする
インポート完了後、重複コンタクトや不完全なデータがないかを確認します。HubSpotには重複コンタクトの自動検出機能があるため、移行後に整理できます。
HubSpot無料版を定着させるための3つのポイント
どのツールでも「入力してもらえない問題」は発生します。HubSpot無料版を現場に定着させるための実践的な3つのポイントを紹介します。
① 入力項目を最初から5項目以内に絞る
HubSpotは多くの入力フィールドが用意されていますが、最初から全部埋めようとすると現場が疲弊します。「名前・会社名・メール・電話・直近のアクション」の5項目だけを必須にして、残りは任意にすることを推奨します。
② Gmailと連携してメール記録を自動化する
STEP 4で設定したGmail連携を全員に徹底することで、「入力」という意識なしに活動記録が蓄積されます。「入力負荷をゼロにする仕組み」が定着の最大の鍵です。
③ スマホアプリと音声入力で外出先からの入力をゼロ負荷にする
HubSpotにはiOS・Android対応のスマホアプリがあります。営業担当者が商談直後に、移動中の車内でスマホに向かって音声でサクッとメモを残せる環境を整えると、入力率が劇的に上がります。「PCを開かないと入力できない」という状況をなくすことが、継続利用の鍵です。
CRM入力率を上げる設計論の詳細は「CRMに入力してもらえない原因と設計の作り方」をご参照ください。
【実務コメント】
「経営陣は細かいデータを見たがるが、現場の営業担当者は忙しくて入力してくれない」という泥臭い現実を嫌というほど知っています。だからこそ、中小企業の最初の一歩にはHubSpotの無料版を強くお勧めしています。「まずは無料で小さく始め、Gmail連携やスマホアプリで現場の入力負担を極限まで減らす」。そして現場が「思ったより簡単で便利だ」と実感してから、必要な機能だけを有料版で追加していく。これが、孤独なDXを終わらせ、失敗を防ぐ最も確実なアプローチです。
HubSpotの導入・定着・有料版への移行タイミングについて中立的な立場でご相談に乗ります。
新潟を拠点に、オンラインで全国対応しています。初回相談無料です。
無料版から有料版に切り替えるタイミング
Starterへの切り替えを検討すべき3つのサイン
HubSpot Starter(月額2,400円/シート〜)への切り替えを検討するタイミングは以下のとおりです。
① メール送信数が月2,000通を超えてきた:定期的な顧客へのメール配信が必要になった段階です。
② 複数の営業パイプラインが必要になった:新規開拓・既存顧客・パートナー向けなど、複数の営業プロセスを並行管理したい場合です。
③ HubSpotのロゴを非表示にしたい:送信メールやチャットを自社ブランドで統一したい場合です。
無料版で十分な企業 vs 有料版が必要な企業
| 比較項目 | 無料版で十分 | 有料版が必要 |
|---|---|---|
| 顧客数 | 10,000件未満 | 10,000件超 |
| メール配信 | 月2,000通未満 | 月2,000通超 |
| 営業自動化 | 不要(手動で十分) | 必要(フォローアップ自動化等) |
| ブランディング | HubSpotロゴOK | 自社ブランドに統一したい |
| レポート | 基本3件で十分 | 部門別・詳細分析が必要 |
3ツールの詳細な料金・機能比較は「Salesforce・kintone・HubSpot徹底比較」をご参照ください。
よくある質問
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HubSpot無料版は本当に永年無料ですか?
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はい、永年無料です。クレジットカード登録不要で使い始められます。ただし一部機能(メール送信数・ダッシュボード数等)には上限があります。
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無料版のユーザー数・コンタクト数に制限はありますか?
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ユーザー数に制限はなく、チーム全員を無料で招待できます。コンタクトは最大100万件まで登録できます。
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HubSpotを日本語で使えますか?
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使えます。管理画面・サポートともに日本語対応しています。ただし一部のヘルプドキュメントは自動翻訳が含まれます。
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Salesforceから乗り換えることはできますか?
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可能です。Salesforceからのデータエクスポート→HubSpotへのCSVインポートで移行できます。Salesforceからの乗り換えを検討している方は「Salesforceを解約した理由TOP5」もご参照ください。
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HubSpot無料版はスマホから使えますか?
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使えます。iOS・Android対応のモバイルアプリが提供されており、外出先からでもコンタクト確認・商談更新が可能です。
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無料版からのアップグレードは強制されますか?
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強制されません。無料版を永続的に使い続けることができます。ただし機能の上限に達した場合は、有料版への移行を検討するタイミングです。
参考:HubSpot公式「中小企業向けCRM」https://www.hubspot.jp/products/crm/starter(2026年5月確認)/ さとりファクトリ「HubSpotの無料版でできることとできないこと」https://www.satorifactory.jp/hubspot_freeplan/ / アプリの達人「HubSpot CRM Freeプランの機能・制限と2026年最新アップグレードガイド」https://app-tatsujin.com/hubspot-crm-free-plan-2026-upgrade-guide/(2026年4月)
投稿者プロフィール

- 代表
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プログラマーとしてキャリアをスタートし、製造業の社内SEとして「工場」の論理を、士業事務所の社内SEとして「先生」の論理を肌で学んできました。異なる文化を持つ組織の中でITを推進するには、技術力以上に「聴く力」と「翻訳力」が必要です。
現在はその経験を活かし、新潟の中小企業のDXを支援しています。
ITコーディネーター/上級ウェブ解析士/上級SNSマネージャー






